[No.153-1]その先にあるもの
No.153-1
私はあることで季節の移り変わりを感じる。
毎日、少しずつ、それは変わって行く。
「気温のこと?」
「違うよ」
「服装・・・?」
「違う・・・今、見てるじゃない?」
夏帆(かほ)が、周辺を見渡し始めた。
その時点で既にハズレていると分かる。
「“冷麺始めました!”・・・とか?」
「それ多分剥がし忘れ・・・今、春前だし」
冗談なら、なかなか笑える。
本気なら笑えない。
「気付かない?今、6時半よ」
「・・・あっ!明るい?」
少し前なら、6時ではとっくに真っ暗だ。
「そう言うことね」
昼が長くなった・・・と、言えばいいのだろうか。
とにかく、日ごとに明るくなって来ている。
「言うなれば、この明るさで移り変わりを感じてるんだ?」
「そっ!でも、それだけじゃ不十分」
その先に本当の答えがある。
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