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[No.149-1]それぞれのイベント

No.149-1

(学生服が多い・・・)

取引先に向かう道中、学生達とよくすれ違う。
それは、ある程度、まとまった集団になっている。

「土曜日でもないのに・・・」

それに下校時間にはまだ早すぎる。

(試験中?それとも創立記念日とか?)

「あっ!そうかぁ」

良く見ると皆、筒状の物を手にしている。

「卒業式なんだぁ!」

彼らから名残惜しそうな雰囲気が伝わってくる。
歩むスピードが、それを物語っている。
想い出を踏み締めるかのように進み、時に足を止める。
まるで、次の一歩を躊躇しているようにも見える。

(分かる、分かる!)

これから進学する人、いち早く社会に飛び出す人。
いずれにせよ、若い彼らにとっては踏み出すのに勇気がいる。

(頑張れ!)

何年か前は、自分もその集団の一員だった。
彼らと同じように立ち止まり、次を一歩を踏み出せずにいた。

『このまま時が止まればいいのに』

その時ははそう思った。。

「・・・あっ!いけない・・・急がなきゃ!」

気付けば、取引先との約束の時間が迫っていた。

(No.149-2へ続く)

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