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[No.148-1]初恋

No.148-1

特に目的もなく街をブラブラしている時だった。

♪『・・・桜並木・・・しないから・・・から・・・』♪

有線放送だろうか?
雑踏を縫うかのよう、断片的に聞こえてきた。

(誰だろう・・・?)

初めて行く曲で、歌声に聞き覚えもない。
立ち止まって耳を澄ませてみる。
でも、ほどなく曲が終ってしまった。

「・・・なんだろう・・・この気持ち・・・」

かなり断片的だけど、歌詞とメロディを覚えている。
心に残る曲は多い。
でも、今回のこの気持ちは今までにない感覚だ。

幼さが残る歌声だったような気がする。
純粋と言うより、真っ直ぐな、せつなさを感じた。

(・・・そんな!)

余韻を感じている最中に、次の曲に変わってしまった。
アーティストの名前も曲名すら、分からずじまいだ。

(知りたい!)

このまま知らずにいると、もう二度と出逢えない気がした。

「調べてみよう」

今はネット社会だ。
鼻歌からでも曲を検索できる。

(きっと何とかなる)

断片的な歌詞とメロディから、それを探すことにした。

(No.148-2へ続く)

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