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[No.146-1]月を恐れぬ女

No.146-1

「今日ぉわぁ、満月なんだぁねぇ~」

飲み会の帰り、同僚が夜空を指差した。
かなり、ろれつが回っていない。
女性だけの集まりだったこともある。

街中に居ると、月の光を感じることが少ない。
誰かが言わない限り、夜空を見上げることもない。
気付けば、満月は神々しい位に、私たちを照らしていた。

「結構、明るいよね」

夜空とのコントラストがはっきりしている。
真っ暗闇に、ポカンと穴が空いたようにも見える。

「満月の夜は・・・だよね」

誰かがポツリとつぶやく。
満月の夜は何かが起こりやすいとも言われる。
確か、月の引力がどうのこうの・・・。

「なぁ~に、たたずぅんでるぅのよおぉ~」
「ちょ、ちょっと、からまないでよ!」

なるほど・・・今夜は彼女に何かが起こっている。

「私はね、三日月の方が好きなの!」
「みぃかぁづきぃー?」

そう答えると、彼女の目がキラリと光った。

(No.146-2へ続く)

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