[No.145-2]出逢いは別れの始まり
No.145-2
「でも、名言がネガティブ・・・ってのもどうかな?」
忠告や苦言であっても、踏み出す勇気を与えてくれる。
それが名言だと思う。
「じゃ、良い所、見つけない?」
「そうね!」
「レッツ、シンキング・タァイムゥ!」
それから、お互いしばらく考え込んだ。
「・・・どう?」
先に声を掛けてきたのは君枝のほうだった。
「うん・・・」
「君枝はどうなのよ?」
「わたしぃ?」
どうやら、私たちでは気の利いた結論は出ないようだ。
「まぁ、充実した時を過ごしなさいってことだよね?」
「別れが来るまで・・・と言うことね?」
何気なく言い放った二人の言葉が妙にしっくりきた。
出逢いは別れの始まり・・・。
別れと言う“ゼロ”向かって、カウンドダウンを始める。
そして、ゼロになった時・・・。
「・・・どうなるの?」
「充実した思い出と言う“無限大”に向かって・・・」
「永遠にカウントアップを始めるのね」
(No.145完)
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