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[No.140-2]誰をダマしたの?

No.140-2

美代がある話をしてくれた。
テレビドラマは自分がモチーフじゃない限り、他人の話だ。
でも“あいつ”は、他人と自分の区別が付かないと言う。

「あいつ?」
「そう!あ・い・つ」

(誰・・・あいつって?)

「失恋して泣いたらスッキリしたよね?」
「もぉ!ダメ押ししないでよ」
「じゃ、ドラマで他人の失恋シーンを見たらどう?」

最近、丁度そのようなドラマを見た。
自分と重なったこともあって、思い切り泣けた。

「スッキリ・・・した・・・けど」
「それ、騙してるんだよ」
「騙している?」

話が見えない。

あいつ・・・騙している・・・なんのことだろう。
ドラマの役者にでも騙されていると言いたいのだろうか?

「スッキリしたければ、涙を流す・・・」

美代が核心を話し始めた。

「他人の話でもスッキリするのは“あいつ”を騙してるから」
「だから、誰・・・“あいつ”って?」
「ここよ・・・」

美代が自分の頭を指差した。

「頭・・・脳ってこと?」

半信半疑だったが、気になり調べてみた。
事実、脳は他人と自分の経験の区別はつきにくいらしい。

(No.140完)

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