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[No.135-1]動く夜景

No.135-1

街全体が巨大なイルミネーションをまとっている。
ここから見る夜景が一番好きだ。

「嫌いな人、居ないんじゃない?」

(確かにそうよね)

都会であればあるほど綺麗に映る。

「あれ見て!」

尚美が指差した。
遠くからでも観覧車と分かる光の配置だ。
輪を描くように、光がゆっくり動いている。

「ねぇ・・・わたしで良かったの?」
「なにが?」
「夜景は普通、男と見るものでしょ!」

尚美の言う通りかもしれない。

「『夜景よりお前の方が綺麗だよ』なんてね!」
「そんな奴なら、尚美の方がまだましよ」

そうこう話しているうちにも、夜景は様々に表情を変える。
1年前、私の隣には彼が居た。
その彼とこうして夜景を見ていた。

(No.135-2へ続く)

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