[No.134-1]ハイブリッドな・・・
No.134-1
生き方は、2つのタイプに分かれる。
自分のために、生きるタイプの人。
もうひとつは、他人のために生きるタイプの人。
「鳴海(なるみ)はどうなのさ?」
「わたし?」
あからさまに他人を犠牲にしていない。
けど、そうも言えない部分も多い。
「多分、他人のためだと思う」
「他人と言うより、彼のためでしょ?」
「えっ!わかる?」
幸せの絶頂が顔に書いてある。
今だけかもしれないけど、そう思える友人が羨ましくもある。
そんな人に出逢えば自分も変わるのだろうか。
春から有名大学に進学する。
中学、高校と受験戦争を勝ち抜いてきた。
勝つことは、誰かを蹴落したことになる。
「わたしは、結果的に自分のためだと思う」
「なんでこんなこと聞くの?」
大学進学と言うひとつの目標が終った。
その途端、自分のために生きる目標さえ、見失った。
「わたしを動かす原動力って、何かなって・・・」
部屋の本棚に視線を移す。
整頓された参考書達は、もう私を動かしてはくれない。
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