[No.130-2]とぼけた仲間
No.130-2
「わからへん!わからへんから・・・」
何かを狙っている・・・そんな予感が走る。
「あくせくしたって・・・」
「はじまりませんぜ!」
「あっー!それ、うちのセリフやんかぁ!」
菜緒が俺の口をふさごうとする。
彼女の小さな手が温かい。
その温もりは、きっと彼らにも届いているはずだ。
「大事にしろよ」
「うん、仲間やもん!」
「仲間?」
「とぼけた仲間や!」
“とぼけた”ついでに聞いてみよう。
「その仲間に菜緒も入ってるの?」
「入ってるよ」
「あはは・・・そうなんだ」
自分のことを“とぼけた”と認めているらしい。
「なに笑ってんねん!」
「あんたもやで」
「なーんだ・・・えっ?」
どうやら俺もとぼけた仲間の一員らしい。
(No.130完)
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