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[No.128-1]不透明な出逢い

No.128-1

「急がなきゃ!」

最近の仕事疲れのせいか、朝起きるのが少し遅れた。
幸い自転車通勤だ。
飛ばせばなんとかなる。

「さむ~い!」

今朝は一段と冷え込む。
昨日の水たまりは見事に氷に覆われている。

「ちょっと踏んづけて・・・」
「・・・る時間は無いか」

自転車にまたがり、いつもの道を急ぐ。

(いい感じ、いい感じ!)

信号機がタイミングよく青に変わる。
これなら、随分と遅れを取り戻せそうだ。

(よし、このまま・・・)

スピードを落とすことなく、路地を疾走した。

(あの角を曲がればゴぉールぅ!)

いつしか、ひとりでレースをしている気分になっていた。
ただ、最後の曲がり角は見通しが悪い。
いつも、そこに設置されている反射鏡が頼りだ。

「あれ?・・・見えない・・・ん!」

何かに気付いたその瞬間、強い衝撃に襲われた。

(No.128-2へ続く)

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