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2010年1月

[No.135-2]動く夜景

No.135-2

「あれ見て!」

今度は私が指差した。
見覚えのある独特の光の配置が懐かしい。

「なんなのあれ?」
「知らない」
「知らない?」

尚美が不思議そうな顔をする。

「あれの近くに彼の家があるのよ」

そう・・・あれは彼の家の目印になる。

「そっか、もうすぐだね」
「うん・・・ありがとうね、尚美・・・」

しばらく沈黙が続いた。
1週間後、彼と結婚する。
そのために、尚美が手伝いに来てくれた。

「あーあ、帰りはひとりかぁ」
「また、夜景・・・見れるでしょ」

軽い衝撃と共に、飛行機は目的地に到着した。

(No.135完)

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[No.135-1]動く夜景

No.135-1

街全体が巨大なイルミネーションをまとっている。
ここから見る夜景が一番好きだ。

「嫌いな人、居ないんじゃない?」

(確かにそうよね)

都会であればあるほど綺麗に映る。

「あれ見て!」

尚美が指差した。
遠くからでも観覧車と分かる光の配置だ。
輪を描くように、光がゆっくり動いている。

「ねぇ・・・わたしで良かったの?」
「なにが?」
「夜景は普通、男と見るものでしょ!」

尚美の言う通りかもしれない。

「『夜景よりお前の方が綺麗だよ』なんてね!」
「そんな奴なら、尚美の方がまだましよ」

そうこう話しているうちにも、夜景は様々に表情を変える。
1年前、私の隣には彼が居た。
その彼とこうして夜景を見ていた。

(No.135-2へ続く)

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[No.134-2]ハイブリッドな・・・

No.134-2

「原動力?ガソリンスタンドに寄ってく?」
「じゃ、満タンで!」

友人の軽いノリが、逆にホッとさせてくれる。

「そのうち、目標もできるよ」
「そう・・・よね!」

不思議だ。
話していると、何か動き始めたような気がする。
友人も私を動かす原動力なのかもしれない。

「まぁ、悩まない、悩まない!」
「そうするよ・・・で、お腹すかない?」
「すいた!燃料補給しに行こうよ」

生き方は、今なら3つあるかもしれない。
自分と他人のために、バランス良く生きるタイプの人。

(流行の言葉を使えば・・・)

「ねぇ・・・わたし、ハイブリッ・・・・」
「えっ!なに?今、忙しいのよ」

バイキング方式のランチで忙しいようだ。
見れば、和食、洋食・・・中華まで山盛りだ。

「欲張りすぎよ」
「何言ってるのよ!燃料補給に来たんでしょ?」

彼女も、ある意味ハイブリッドなのかもしれない。

(No.134完)

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[No.134-1]ハイブリッドな・・・

No.134-1

生き方は、2つのタイプに分かれる。

自分のために、生きるタイプの人。
もうひとつは、他人のために生きるタイプの人。

「鳴海(なるみ)はどうなのさ?」
「わたし?」

あからさまに他人を犠牲にしていない。
けど、そうも言えない部分も多い。

「多分、他人のためだと思う」
「他人と言うより、彼のためでしょ?」
「えっ!わかる?」

幸せの絶頂が顔に書いてある。
今だけかもしれないけど、そう思える友人が羨ましくもある。
そんな人に出逢えば自分も変わるのだろうか。

春から有名大学に進学する。
中学、高校と受験戦争を勝ち抜いてきた。
勝つことは、誰かを蹴落したことになる。

「わたしは、結果的に自分のためだと思う」
「なんでこんなこと聞くの?」

大学進学と言うひとつの目標が終った。
その途端、自分のために生きる目標さえ、見失った。

「わたしを動かす原動力って、何かなって・・・」

部屋の本棚に視線を移す。
整頓された参考書達は、もう私を動かしてはくれない。

(No.134-2へ続く)

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ホタル通信 No.006

小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。

小説名:No.28 女の子へ聞け
実話度:★★★★★(100%)

日常が小説になること、ドラマよりもドラマティックであること
を実感した作品です。
実話度100%ですが、作者が「あき」なのか「僕」なのかは、
伏せておきます。

「それ、私も同じかも」
それって何・・・?が、読み手の最初の疑問だと思います。
軽く触れてはいますが、こういうことです。
喧嘩まではしていないけど、紗江の理不尽な行動に振り回
され、少し口論になったことがありました。
数時間経過してから、自分から謝ろうとしても、音信不通に
なり、最後のメールにつながりました。
そして、予期せぬ展開に焦る「僕」に対して「あき」の冒頭の
セリフが続きます。
「ちょっとしたことでも、別れはありますよ」って、あきは言い
たかったのです。あきも同じ経験をしたことがあるからです。

ところが・・・。
「あのね、女の子はそんな時があるんよ」
「また、メールでも入るんとちがう?」
このふたつのセリフは、別れが一時的なもの(その期間は
不明だとしても)であることを意味しています。
あきとしても自分がそうだからこそ、こんなことが言えたの
でしょう。そして、その通りに紗江からメールが届きました。
それに紗江からメールが来た時、戸惑いながらも、嬉しかっ
たのは間違いありません。あきはそれさえも分かっていたの
です。

最後になりますが、この話をヒントにした小説があります。
紗江からのメールは“受信フォルダ8”に入るようになってい
ました。そうなんです・・・「No.25 受信フォルダ8」はこの話
があったからこそ生まれたんです。

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[No.133-2]怪物の涙

No.133-2

冗談が現実になった。
彼氏ができ、ついでに大失恋もした。

「・・・で、泣けた?」
「心配してる?」

明らかに泣いたことに興味を持っている。

「そりゃ・・・してるわよぉお?」

顔が笑っているし、なぜか疑問形で終っている。
よほど、“怪物の涙”が気になるようだ。

「泣かなかったよ」

嘘ではない・・・涙はあふれたけど、こぼれてはいない。
いつものように、空を仰いでいた。

「無理しちゃって!」

友人が背中をポン!と、軽く押してくれた。

「あっ・・・」

その瞬間、堪えていた涙が、瞳からこぼれ落ちた。
背中を押されたせいじゃない。

私の心を押してくれたせいだ。

(No.133完)

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[No.133-1]怪物の涙

No.133-1

いつの頃からか、素直に泣けなくなった。
様々な経験が私を強くしたとも言える。

背中を向け、空を仰ぐ。

涙がこぼれ落ちそうになるたびにそうした。
そうして、それを必死にこらえた。

「今じゃ、無理しても泣けないよ」

なんとなく笑い話にも聞こえてくるから不思議だ。

「男性が知ったら・・・」
「かわいくない!と、言われるね」

それだけじゃない。

「きっと、怪物扱いされるわ」

泣けない女・・・泣かない女・・・。

ドラマか小説にもなりそうなフレーズだ。
別の意味でワクワクされるかもしれない。
どんな女、なんだと・・・。

「大失恋でもしたら?」
「そうね、その前に作るのが先だけど」

だから、泣くのは随分先になる・・・はずだった。

(No.133-2へ続く)

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[No.132-2]いつもの歯ブラシ

No.132-2

ゴトッ・・・。

意外に重い音がした。

(何だろう・・・へんな気持ち・・・)

勢い勇んで、歯ブラシを捨てたつもりだった。
それなのに・・・自分でもよく分からない。

その時だった。
その瞬間を待っていたかのように、ケータイの着信音が鳴った。

「どう・・・今の気分は?」
「なんのこと?」

意味が分からない。
純那は何を言いたいのか・・・。

「同じことの繰り返しでもいいんじゃない?」
「繰り返し?」
「そう結論を急がなくても、いいってこと」

(あっ・・・)

ようやく意味が分かり始めた。

「おせっかいね!」
「今にも彼と別れるんじゃないかと思ったのよ」
「・・・まぁ・・・ありがとう・・・ね」

歯ブラシを元の場所に戻した。
(そうね・・・)
案外、悪くない。

(No.132完)

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[No.132-1]いつもの歯ブラシ

No.132-1

「また、やっちゃった・・・」

歯ブラシの先が開いてしまい、取替えるつもりでいた。
昨日、そう思いながらも、それを忘れてしまった。
また使わざるを得ない。

「それぇー、私も良くあるぅ!」

純那(じゅんな)が元気良く応える。

「純那と同じ?」

だらしなさにかけては、彼女の右に出るものは居ない。
その彼女と同じとは・・・。

「まぁまぁ、気にしない」
「気にするわよ!」

私までもだらしなく思える。
歯ブラシの取替えとは言え、思い立ったら即実行!

「帰ったら、真っ先に洗面台に行くよ」
「おぉー!気合入ってるぅ!」

そうでもしないと、延々と同じことを繰り返してしまう。

家に着くなり私は一目散に洗面台へ直行した。

「ハァハァ・・・ハァ・・・取替え完了!」
これで、くやしい思いをしなくて済む。
「じゃあね!」

歯ブラシを近くのゴミ箱へ投げ込んだ。

(No.132-2へ続く)

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ホタル通信 No.005

小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。

小説名:No.08 銀河鉄道の夜
実話度:★★☆☆☆(40%)

・・・で、「銀河鉄道の夜」って、どんなプレゼント?ですよね。
やっぱり

この話はタイトル先行型で、タイトルが決まってから創作した
典型的な例です。
その上でどんな話にしようかと考えていた所、知り合いの誕
生日が近づいていたこともあり、これを軸にした話にしようと
思った訳です。
ところで「銀河鉄道の夜」と言うタイトルを決めた理由なんで
すが、実は宮沢賢治さんの・・・ではありません。
知り合いから「KAGAYA」氏のそれが好きだと言うことを聞か
されていたのがきっかけです。

銀河鉄道・・・となると、どうしてもファンタジー系の話に進み
がちなんですが、冬のホタルは、日常のひとコマがテーマな
ので、安易に銀河に旅立つ訳には行きません
そこで、何か意味ありげなプレゼントのネーミングとして使う
ことを考えました。
「銀河鉄道の夜」をどんなプレゼントにしようか・・・色々想い
を巡らせました。「あれにしようか、これにしようか・・・」散々
考えましたが結局、答えは見つかりませんでした。
でも・・・だからこそ、こんな話ができあがったのです。

奈々子としては、銀河鉄道の夜でも朝でも、何でも良かった
のです。そして、奈々子の望んだ通り、送り主は想い出をた
どる旅に出掛ける結果となりました。
「銀河鉄道の夜」は二人の出逢いから今までを想い出してく
れるだけでいい・・・そんなプレゼントだったのです
奇しくも今、この小説を振り返った時、「出逢い」と言う駅から
銀河鉄道に乗り、今もどこかを旅している・・・そんな話に思え
てきました。

No005

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[No.131-2]最も危険な一言

No.131-2

さて・・・ここからが問題だ。
そろそろ相手も核心を突いてくる。

髪型は・・・変わったような気がする。
化粧は・・・これも変わったような気がする。

どちらかの影響で、片方の印象が変わった可能性もある。
ただ、どちらも顔に関係する。
無難な言葉で、まとめておくことにしよう。

「明るい感じだよね」
「そうだね!明るくなったよ」
(ヨシっ!)
それが何だか分かっていないが、危機は脱したようだ。

「今まで損してた気分」
「そうかもね」

適当に話を合わせておけば、そのうち無事終了する。
ただ、それが何か気になりもするが・・・。

「ところでさぁ・・・」
(ようやく話題が変わりそうだ・・・)
「何が変わったの?教えて」
「えっ!いやぁ・・・その・・・」

油断していた所へ、いきなり直球が入ってきた。

「もぉ・・・分かってなかったくせに」
「ご、ごめん」
「その申し訳なさそうな顔も良く見えるようになったよ」

彼女の瞳の奥もチェックする必要があったようだ。

(No.131完)

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[No.131-1]最も危険な一言

No.131-1

最も慎重に応えないといけない、女性からの一言。
今、まさにその瞬間だ。

「ねぇ・・・何か気付かない?」

(うぅ、急になんだよ・・・)

「あ、あぁ、そうだな・・・」

余り長く考えていると、まずい。
気付いていない、と言っているのと同じだ。
ここはひとつ・・・。

「なかなか・・・じゃない」

まずはどうにでもとれる言葉でジャブを打つ。
その間に、上から下までザッとチェックした。

(服・・・アクセサリー・・・靴・・・)

ついでにバッグも確認だ。
我ながら世界最高タイムで目を走らせる。
オリンピックなら、間違いなく“金”だ。

(どれも見覚えがあるけどなぁ)

そうなると、王道は髪型か化粧だろう。

「似合ってる?」
「いいと思うよ」

慎重に話を合わせながら、それに気付くとしよう・・・。

(No.131-2へ続く)

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ホタル通信 No.004

小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。

小説名:No.49 上手な恋の忘れ方
実話度:★★☆☆☆(40%)

検索フレーズランキングに常に入っている「忘れ方」に類す
る言葉・・・皆さん、同じように苦労されてるかと

この話のきっかけは、文字通り、忘れたかったからです。
ただ、話のように「失恋」した恋を忘れるのではありません
でした。
恋や愛には様々な形があって、私の場合、片思いの状態
でそれを忘れる必要がありました。じゃぁ、どうしたら忘れら
れるのか考えていたら、この話に繋がりました。
本当は話以上に深刻で「このままどうなっちゃうんだろう」と
思えるほど、メンタル的に不安定な時期もありました。

現実の問題は置いといて、話しをどう結論付けるか・・・。
これは大いに悩みました。
小説にもあるように、永遠のテーマであり、もし特効薬があ
れば、歴史は変わっています。
そうなると、私は考え方を180度変える作戦を良く行います。
忘れたいなら、忘れない・・・。これをベースにして、なんとか
それらしく結論を出すことができました。
当初は「忘れようとすると・・・だから忘れられない・・・」を文
末に持ってくる予定でしたが、ブログのサブタイトルでもある
「悲しい終わりはない」になるように、前向きな話しを加えて
エンディングとしました。

「それで忘れられたの?」

どこからもなく、こんな声が聞こえてきそうですが、現実は小
説ほど、うまく行かないようですよ。
でもね、ちゃんと失恋することができました

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[No.130-2]とぼけた仲間

No.130-2

「わからへん!わからへんから・・・」

何かを狙っている・・・そんな予感が走る。

「あくせくしたって・・・」
「はじまりませんぜ!」
「あっー!それ、うちのセリフやんかぁ!」

菜緒が俺の口をふさごうとする。
彼女の小さな手が温かい。
その温もりは、きっと彼らにも届いているはずだ。

「大事にしろよ」
「うん、仲間やもん!」
「仲間?」
「とぼけた仲間や!」

“とぼけた”ついでに聞いてみよう。

「その仲間に菜緒も入ってるの?」
「入ってるよ」
「あはは・・・そうなんだ」

自分のことを“とぼけた”と認めているらしい。

「なに笑ってんねん!」
「あんたもやで」
「なーんだ・・・えっ?」

どうやら俺もとぼけた仲間の一員らしい。

(No.130完)

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[No.130-1]とぼけた仲間

No.130-1 [No.07-1]せいじゅうろう 

「そう言えば、聞いたことないな」

数々の笑いと涙を提供してくれた、せいじゅろう達。
ある時を境に、彼らが登場した。

「なぁ、聞いていい?」
「あくせくしたってはじまりませんぜ」
「はじまりませんぜ!」
「・・・あっ、悪い」

菜緒がいつもの仲間で遊んでいる最中だった。
今のセリフは確か・・・。

「なんやろ?」
「あぁ・・・ちょっといいかな?」

最初にリラックマを見たのは・・・・。
確か、ケータイのストラップにぶら下がっていた時だった。

「好きになったきっかけは?」
「うーん・・・そう言えばなんでやろな」

悩んでいる。
それも半端なく・・・。
それにしても、他にもキャラクターはたくさん居る。
その中で、リラッ・・・いや、せいじゅろうを選んだ。
理由がなくはない。

「似てるからやろか・・・」

ただ、それは俺が言い出したことだ。

(No.130-2へ続く)

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ホタル通信 No.003

小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。

小説名:No.05 堕天使
実話度:★★★★☆(80%)

ブログ小説を書くきっかけとなった作品です。

実話度は高いのですが、逆にタイトルとそれに関連する部分
が創作になります。
自分が・・・ではなく、あくまでも第三者的に書けば、彼女は
若くして、様々な辛い経験をしたようです。ここには書けない
ことも含めて・・・。

ところで、当ブログのシリーズ物は「せいじゅうろう」ひとつし
かありません。本当はそうではなくて、名前をわざと変えた
上で、牽引役(主人公)が同じ作品が数多くあります。
「愛」はいわゆる源氏名なんですが、彼女の話は、実は一番
多く書いているんですよ。それがどの話かは、読んで感じて
頂ければ
・・・とは言うものの、ひとつだけネタバレをすれば「せいじゅう
ろう」シリーズがまさにそうなんですよね。

冒頭に書いた「ブログ小説を書くきっかけ」ですが、書くことで
自分と向き合うことができたり・・・すみません、これは嘘です
ね。正直に書けば自分から何かを吐き出したかったからです
・・・と彼女は言ってましたね
どこの誰だが分からないけど、書くことで伝えたい、書くことで
応援したい、そんな気持が強くなりました。今でこそ、洒落た
話で結末を向かえることが多いですが、この話は冬のホタル
の原点なんですよ。
この記事を書いているのが「愛」なのか、それとも「彼」なのか
それとも単なる第三者なのか、今の時点ではまだ秘密です。

地に落ちた堕天使の行方が気になりますか?
もし私が「愛」なら、今もこうして記事を書いていることになりま
すけどね

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[No.129-2]時間に掛けるもの

No.129-2

粋な返事を返したい。
そう思えば思うほど悩んでしまう。
さて、時間に何を掛けてみようか・・・。

思い付くまま、あれこれ掛けてみる。
(・・・どれもイマイチだな)
彼女のそれを超えるものが、なかなか出てこない。

時間・・・時間・・・時間・・・。
「そうだ!」
いっそのこと、時間に時間を掛けてみようか。

「時間×時間=・・・?」

何かしらの謎解きにも似た、かけ算になった。
いずれにせよ、思い付きじゃ伝わらない。
彼女は僕の一言に応えてくれたはずだ。

(時間が経つのが早い・・・)

だからこそ、有意義に時間を使いたい。
時間は増えやしない・・・減りもしない・・・。
「・・・そうだ!」
掛けるものが決まった、そう思う間もなく返事を打つ。

『時間×自分=時間』

数学的に自分は”1”になる。
それに時間は増えもしないし減りもしない。
だから、有意義な時間の割合を増やすしかない。

新年は禅問答のようなメールで始まった。

(No.129完)

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[No.129-1]時間に掛けるもの

No.129-1

年末の挨拶を兼ねた近況報告が、年を越す結果となった。

『時間に何を掛けますか?』

予期せぬ問いかけだった。
ただ、それに繋がるものは自分が先に書いていた。

『時間が経つのが早い』

年齢を重ねる度に、一年が短く感じる。
それだけではない。
短く感じるからこそ、時間について考えるようになった。
そんな想いが、この一言に込められていた。

「時間に何を掛けるか・・・か」
彼女のメールには続きがあった。

時間×技術=進歩
時間×実践=経験
時間×手持ち無沙汰=何となく過ぎた時間

彼女の想いにも似た、かけ算が書かれていた。

「なるほど・・・」
相変わらず説得力がある。
つい、フンフンと、うなずいてしまう。
そうなると・・・。

『時間に何を掛けますか?』

答えないわけにはいかない。
でも、そう思いながらも、すぐには返事が書けなかった。

(No.129-2へ続く)

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ホタル通信 No.002

小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。

小説名:No.02 非常階段のシンデレラ
実話度:☆☆☆☆☆(0%)

完全に創作なんですが、タイトルに思い入れがあります。

ブログを始めるずぅ~っと前から・・・そうですね、10年ぐらい
前から、このタイトルが頭の中に入っていました。
そもそも、なぜ「非常階段」「シンデレラ」なのか、自分でも
良く分かっていません
「小説のタイトルとして使うなら意味ありげなものがいいな」
と漠然とした考えによるものでした。そうなると、タイトル以
前に、どうしてそんなことを考えたのか?とそっちの方が更
に謎になります。
あれから10年・・・正確には、頭の中にはずっと存在してま
したから、10年前とは言えませんが、まさか本当に小説に
なるとは思いませんでした。

シンデレラが非常階段に・・・居ませんよね?
非日常、非現実感があって、意味深。それの答えとなる話
をどのように展開するか、大いに悩みました。
そこで、漫画「きまぐれオレンジ☆ロード」の「鮎川まどか」
をイメージすることにしました。孤高の不良、ミステリアスで
美少女な所が、ピッタリじゃないかと・・・。
もしかしたら学校に居るんじゃないか・・・そう言えば居たよ
ね・・・なんて、思って頂ければ

ブログを始めて第2作目なので、そのダメさ加減が恥ずかし
いのですが、雰囲気が伝われば嬉しいです。
シンデレラは何を考え、彼女を見ていた僕は何を感じていた
のか。
教室の窓から外を見てください。あなたの学校にシンデレラ
が居るかもしれません。えっ!あなたはシンデレラですか?
それなら、あなたを見てる「僕」も居ることを忘れないでくださ
いね。

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[No.128-2]不透明な出逢い

No.128-2

「・・・で、そのキズなんだ?」

数日後、同僚の茜(あかね)に朝の出来事を話した。
あの衝撃は、自転車同士の衝突だった。

「通い慣れた道でしょ?」
「急いでたのよ」

いつもなら、もう少し慎重だったのかもしれない。
急いでいたことに加え、気分が乗っていたこともある。

「でも、ほら・・・あるんでしょ、あれ?」
「反射鏡のこと?」
「なら、どうして・・・見落とし?」

見落としではない。
逆にいつも以上に、しっかり見ていた。
けど、見えなかった。

「見えなかった?」
「そう、曇ってたの」

反射鏡はぼんやりと周辺を映していた。
それでも、いけると思った。

「災難だったわね」
「それが・・・そうでもないの」
「・・・そうでもない?」

あれ以来、あの場所では一時停止するようになった。
注意深くなったこともある。
それに、お互い挨拶を交わすためでもある。

(No.128完)

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[No.128-1]不透明な出逢い

No.128-1

「急がなきゃ!」

最近の仕事疲れのせいか、朝起きるのが少し遅れた。
幸い自転車通勤だ。
飛ばせばなんとかなる。

「さむ~い!」

今朝は一段と冷え込む。
昨日の水たまりは見事に氷に覆われている。

「ちょっと踏んづけて・・・」
「・・・る時間は無いか」

自転車にまたがり、いつもの道を急ぐ。

(いい感じ、いい感じ!)

信号機がタイミングよく青に変わる。
これなら、随分と遅れを取り戻せそうだ。

(よし、このまま・・・)

スピードを落とすことなく、路地を疾走した。

(あの角を曲がればゴぉールぅ!)

いつしか、ひとりでレースをしている気分になっていた。
ただ、最後の曲がり角は見通しが悪い。
いつも、そこに設置されている反射鏡が頼りだ。

「あれ?・・・見えない・・・ん!」

何かに気付いたその瞬間、強い衝撃に襲われた。

(No.128-2へ続く)

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ホタル通信 No.001

小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。

小説名:No.01 グリーティングカード
実話度:★☆☆☆☆(20%)

冬のホタルの記念すべき第1作目となりました

グリーティグカード(以下カード)は予め日時を設定して
から送ることができます。当時、送る相手が居たことで
この話が生まれました。
当初、小説に対するポリシーとしては「ショートショート」
しかなく、ジャンルは特に何も考えていませんでした。
そのため、この話と「No.03過去へのゴミ箱」のみ、やや
ファンタジックな要素が濃い作品になっています。

話を戻しますが、日時設定を利用することでちょっとした
イベントを発生させることができます。送りたい相手が目
の前に居る時にカードを届ける・・・最初はこんな感じで
考えていました。
ただ、「泣いて笑って」の要素が欲しくて、今は亡き恋人
が日時設定機能を使って生前にカードを送った・・・と言う
話にまとめています。
これに、スパイスとして男性が涙を流し精一杯のジョーク
を言うことまで予想し、メッセージに組み込んだ・・・と言う
ことで締め括りました。
天使となった彼女が、天国から送ったものではなく、現実
の世界から機能を駆使して送ったことで、ギリギリセーフ
で、冬のホタルの世界観に収まっています

当ブログでは、ケータイメールにまつわるシチュエーション
が数多くあります。メールって、とてもドラマがあると思って
いますが、何らかのイベントだけでもいいので大切な人へ
カードを送ってみてくださいネ。
それに、もしかしたら・・・ですよ、あなたへ向けて送られる
カードが今や遅しと日時設定され、スタンバイしているかも
しれませんヨ。

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[No.127-2]振り向けば・・・

No.127-2

「なんか、浮かない顔ね」

どうでもいいことに加え、あることを思い出したからだ。

「書き・・・け・・・紙・・・」
「・・・なに?聞こえないよ」

力無く話したためか、声が小さくなってしまった。
中途半端は他にもあった。
書きかけの手紙・・・今も引き出しの中で眠っている。

「好きな人への手紙?」
「・・・そんなとこね」

何度も引き出しは開けた。
でも、書けなかった。

「前進あるのみよ!」
(大人になったんじゃなかったっけ?)
「そうね、新年も迎えたことだし」

理由は何でも良かった。

「新年そうそう、“散る”なんてどう?」

友美らしい応援に、曇り空が晴れて行くのが分かる。
振り向くことで、何かが始まった気がする。

「“終わる”かもしれないよ?」
「友美ぃぃ!」
「じょ、冗談よ!振り向くだけじゃなくて・・・」
「分かってる、ありがとう」

振り向いてばかりじゃ、その瞬間のチャンスを逃す。
時には振り向かないことを恐れないでいよう。

(No.127完)

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[No.127-1]振り向けば・・・

No.127-1

「昨年を振返ってどうだった?」

新年明けらしい会話から始まった。

「へぇー、随分と奥ゆかしいじゃん」

前進あるのみ!・・・友美はそんな性格だ。
それゆえに笑えない失敗談もたくさんある。

「まぁ、私も大人になろうかなってネ」

(気付くのが遅ーい!)

「そ・れ・よ・り、去年はどうだったの?」
「どう・・・と言われても・・・」

一年の計は元旦にあり・・・は、やや過ぎてしまった。
それでも彼女の言う通り、振返る必要もある。

三日坊主のダイエット。
数ページしか読んでいない話題の小説。
腕が上がらなかった料理教室。
そして・・・。

「な、なによぉ?」

気付けば友美がニヤニヤ私を見つめている。

「長~い、回想だったわね」
「そ、そうかなぁ」

振返って見ると、なぜか中途半端なことばかり思い出す。
輝かしい新年が、急に曇り空に変わった気分だ。

(No.127-2へ続く)

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