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[No.125-2]気の早いタンポポ

No.125-2

「・・・普通よね?」

季節を先取りした記事とは言えない。
それに、わざと遅らせた気配もない。

「なんだろうね・・・」
他のページをパラパラとめくってみた。
「あれ?」
「なに?・・・あ!」
先に気付いたのは友人の方だった。

「これ、4月号じゃない!」

どうやら、入れ替えされないまま放置されていたようだ。
よく見れば、多少色褪せている。

「失礼しちゃうわね、もう!」
「いいじゃん、ちょっと暇つぶしできたしね」
「まあ・・・そうだけど」

確かに友人の“天然”のお陰で、少し暇を潰せた。
でも、季節外れの記事に、“なにか”を期待したのも事実だ。
それだけに少し残念な気もする。

「急に春が待ち遠しくなったよ」
結果的に、気持ちの上で季節を先取りしたようになった。

「もう、その辺りに生えてるかもよ!」
「ほら、足元」
「まさか!真冬だよ・・あっ!」

足元を見ると、本当にタンポポを踏ん付けていた。
特集“蒲公英”と書かれたタンポポだった。

(No.125完)

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