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[No.125-1]気の早いタンポポ

No.125-1

多分・・・聞かれると思う。
それに加えて“例え”も予想できる。

「ねぇ、ねぇ、これなんて読むの?」
(ほら、きた!)
街角に置いてある無料の情報誌を読んでいた。
「どれ?」
「この・・・」
「蒲焼のような字のこと?」
「なんで分かったの!?」

特集のタイトルに大きく“蒲公英”と書かれている。
それに、でかでかと写真も掲載されている。
・・・とは言え、読めない人にとっては意味を成さない。

「タンポポよ」
「タンポポって、あの・・・」
「ラーメン屋のことじゃないからね」

これ以上、天然には付き合ってられない。
それにしても・・・春にはまだまだ遠い。
時期が早すぎるのか、それとも遅すぎるのか・・・。
とにかく、季節外れの記事だ。

「とにかく、先、読ませて」

タイトルから先に進めていない。
先を読めば、記事の意図も分かるはずだ。

「それで・・・」
「今度はナニ!」
チョット、イラっとして答えた。
「どうして、今頃タンポポなの?」
「だから、今からそれおぅ、ゴホッ、ゴホッ・・・」

勢い余って、思わず咳き込んでしまった。

(No.125-2へ続く)

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