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[No.123-2]チャーミング

No.123-2

「知り合いにチャーミングな人がいるの?」
「そうね・・・目の前の人とか?」
「こら!もうノラないわよ」

どうやら、人そのものがきっかけではないらしい。
表現しにくいものを、時に言葉は的確に表現する。

「小学生の頃、近くに工場があったよね?」

友人とは幼稚園以来の付き合いだ。
確かに、家の近くには町工場が点在していた。

「それが、チャーミングと、どう繋がるわけ?」
「覚えてる?」
「何を?」
「ほら、その工場の独特なにおい・・・」
においの記憶をたどる。
(うぅ・・・ん、何となく覚えてる)

「何だっけなぁ・・・ほら、あれよ・・・何かの焼けたにおい・・・」
「ヒント言う?」
「お願い!」

このままだと気持ちが悪い。
友人に助けを求めた。

「プラスティックに・・・・?」
(プラスティックに・・・プラスティック・・・あっ!)

「・・・ソースを掛けてぇ!」
「そうそう!」
「焼いたにおい!」
「正解!」

誰も試したことがないのに、そう思ってしまうにおいだっだ。

(No.123完)

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