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[No.121-2]あなたを待つもの

No.121-2

お互い独身だけど、恋人同士でもなんでもない。
仲の良い異性の同僚・・・と、僕は思っていた。

「えっ!違うの?」

周りに誰も居ないこともあり、つい声に出てしまった。
メールの内容は、明らかに誤解を招く。
仮に僕が既婚者なら、ただじゃ済まないだろう。

(ど、どうしよう・・・)

彼女の好意に、気付いていなかったのかもしれない。
同郷でもあり、確かに仲は良い。

『ありがとう・・・気付いてなかった』
『鈍感ね、やっぱり』

返す返事・・・返すメールに困る。
思いがけない展開に、驚きを隠せない。

(さっき、言ってくれれば・・・)

でも、社内だし、どこで誰が聞いてるかもしれない。
それを気遣ってのことだろう。

『今日はもう帰るよ』
手短なメールを返した。
『そうね、そうしたら?』
ちょっと、他人行儀な返事だった。
照れくさいのかもしれない。

『じゃ早くしてね。あなたの自転車寒そうよ』

(No.121完)

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