« [No.120-1]好みは変わる | トップページ | [No.121-1]あなたを待つもの »

[No.120-2]好みは変わる

No.120-2

食は何となく想像できる。
お酒が飲めるようになり、年齢と共に体質も変わった。
音楽はその時の心境が大きく影響する。
泣いたり笑ったり・・・今の自分に相応しい音楽に巡り合う。

「異性も簡単じゃない」
「経験でしょ、人・生・経・験!」

言う通りだと思う。
出逢いと別れ、傷付いたり、傷付けられたり・・・。
心の成長と共に、好みも変わる。

「でもね・・・」
「でも?」
「なにか足りないような気がするの」
「経済力とか将来性とか・・・リアルな話は無しよね?」

二人で笑った。

「それも、人生経験でいいんじゃない?」

年齢を重ねれば、夢から現実へ、物の見方が変わる。

「今度の彼とは上手く行くことを願っているわ」
「えっ!新しくできたの?」
「まぁね、今度こそ本物よ」
「あっ・・・」

そう言えば、私にも“本物”を見分ける力が少しずつ付いている。
好みが変わるんじゃなくて、目利きが鋭くなってるんだ。

(No.120完)

読み終えたら、クリックして頂けると、励みになります。

ブログランキングへ ブログランキングへ

| |

« [No.120-1]好みは変わる | トップページ | [No.121-1]あなたを待つもの »

(005)小説No.101~125」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: [No.120-2]好みは変わる:

« [No.120-1]好みは変わる | トップページ | [No.121-1]あなたを待つもの »