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[No.116-1]最高の料理

No.116-1

(ん?・・・美味しい!)

雪那の手料理を初めて口にした。
料理は“そんなに得意じゃない”と聞いていた。

「どうやろ?」
「予想以上に美味・・・」
「予想以上って、どういう意味やねん!」
「いや・・・そ、そうじゃなくてー!」

前置きが心の中だったのが敗因だ。

「ほら、“得意じゃない”って聞いてたから」
「得意じゃないと美味しくないは別やろ?」
「あ、うん・・・」

そろそろ話がややこしくなってきた。

「とにかく、美味しい!すごぉぉーく、美味しいぃ!」

魂の叫びにも似た、渾身の一言だ。

「そぉーかな・・・」

(あれ?)

急にリアクションが薄くなった。

「これ、野菜の切れ端とか皮も使ってんねん、体にええし」

切れ端や皮も、無駄なく使っている・・・らしい。
皮の方が栄養がある、と聞いたこともある。

「ちがう、ちがう!全部それ」
「それ?」
(そうなんだ・・・)

限りなく、栄養が付きそうだ。

(No.116-2へ続く)

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