[No.114-2]友達以上恋人未満
No.114-2
それにしても、美代はなぜ言葉を調べたんだろう。
微妙な関係を、自分なりに納得しようとでも・・・。
友達以上恋人未満。
現実は言葉のイメージ以上に複雑だ。
「具体的にはどんな関係なの?」
美代なりの答えが聞きたい。
「1対1で逢うようになった・・・でも・・・」
「あ・・・!いいわよ、全部言わなくても」
そのような関係にはなってないらしい。
それが恋人へ発展するチケットでもない。
「恋人以上に発展しそう?」
「分からない・・・な」
美代の正直な気持ちだろう。
だからこそ、未満と言う言葉に、何らかの拘りを持ったのだ。
今は彼女を応援しよう。
それから数ヶ月経った時だった。
「ねぇ、未満って、それを含まないよね?」
(前にも、聞かれたよね、それ・・・)
「もしかして・・・進展なし?」
「えっ・・・あ・・・うん」
煮え切らない返事が気に入らない。
「はっきり、しなさいよ!」
「友達未満になっちゃったかなぁ・・・って・・・ね」
聞くんじゃなかった。
(No.114完)
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