[No.114-1]友達以上恋人未満
No.114-1
「ねぇ、“未満”って、それを含むんだっけ?」
「はい・・・辞書」
美代の質問にいちいち答えるのも疲れる。
「おっ!電子辞書じゃん!」
私から、かもし出している空気を読んでいない。
だから疲れる・・・憎めないけど。
「なんて書いてあった?」
「すごいよ!」
(すごい・・・?)
「最近の電子辞書は写真も出るんだね・・・ほら!」
ミカンの写真だ。
「ふざけてるなら・・・」
「ごめん、ごめん、打ち間違い」
そう言って、再び調べ始めた。
辞書に頼らずとも、未満はそれを含まない。
「で、未満がどうしたって?」
「ほら、よく言うじゃない?友達以上・・・」
「・・・恋愛未満ってことね?」
(・・・と言うことは・・・)
「居るの?そんな人?」
「あっ・・・う、うぅん・・・」
(いっ、いつの間に!)
「それって・・・まさか、あの人のこと?」
美代の真っ赤な顔がその答えだ。
| 固定リンク | 0
「(005)小説No.101~125」カテゴリの記事
- [No.125-2]気の早いタンポポ(2009.12.25)
- [No.125-1]気の早いタンポポ(2009.12.24)
- [No.124-2]歌えないカナリア(2009.12.23)
- [No.124-1]歌えないカナリア(2009.12.22)
- [No.123-2]チャーミング(2009.12.20)
コメント