[No.109-1]恋人検定
No.109-1
「恋人検定・・・?」
樹里(じゅり)から、そう書かれた冊子を渡された。
「なんだよ、これ」
「その名の通り、私についての検定よ」
(その名の通りじゃないし・・・)
「・・・不服そうね、やましいことあるの?」
話が飛躍し過ぎている。
それにしても樹里は世の中の流れに敏感だ。
今、流行の検定に食い付いたのに違いない。
多分、「これだっ!」と、歓喜の声をあげただろう。
「そうじゃないけど、唐突だろ?」
「いいじゃない、テレビで検定特集やってたんで」
「そしたら・・・」
「これだっ!だろ?」
図星のようだ。
「そうよ、私のこと・・・どこまで知ってるかってね」
「ふーん、まぁいいけど」
冊子をめくろうとした時だった。
「言っとくけど、合格点は80点だよ」
(それ、何が基準だよ)
「なぁ、ちなみに不合格だったら?」
「うふふ・・・それは落ちてのお楽しみよ」
| 固定リンク | 0
「(005)小説No.101~125」カテゴリの記事
- [No.125-2]気の早いタンポポ(2009.12.25)
- [No.125-1]気の早いタンポポ(2009.12.24)
- [No.124-2]歌えないカナリア(2009.12.23)
- [No.124-1]歌えないカナリア(2009.12.22)
- [No.123-2]チャーミング(2009.12.20)
コメント