[No.106-2]イルミネーション
No.106-2
「どうして光に魅せられるのかな?」
知世が話を戻す。
「それもそうよね」
「科学的な根拠ってあるのかな?」
「もし・・・そうだとしても、それは抜きにしようよ」
ここはひとつロマンティックに話を進めたい。
「明日までの宿題ね」
言い出したものの、妙案が浮かばず先送りした。
(答えを用意しとかなくちゃ)
別の場所でひとりイルミネーションを見上げる。
さっきとは対照的に、暖かさが伝わってくる。
けど、それだけでは答えは出ない。
「ねぇ・・・答えはでた?」
次の日、逢うなりいきなり、知世が聞いてきた。
(・・・どうしよう・・・)
答えは浮かばなかった。
(ええぃ!こうなったら・・・)
「答えはこの空間にあるのよ!」
含みを持たせて、かなり適当に答えた。
「あ・・・本当だ、あれね」
(えっ?)
知世の指先がひとつイルミネーションを指差す。
そこには“COME ON”と書かれた文字が点滅していた。
(No.106完)
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