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[No.104-1]秋に想う

No.104-1

空が低い・・・?

(あれ・・・どっちだったかな)

空が高く感じる、低く感じる・・・風情を感じさせる表現だ。

「なぁ、秋って空が低いんだっけ?」
「違うよ、高いんだよ」
真理子が即答する。

「ほら・・・空が澄んでいるでしょ?」
そう言って空を指差す。
「どこまでも空が続く感じを“高い”って表現してると思うよ」

澄み切った空は果てしなく遠く感じる。
それに空って、どこか屋根のイメージもある。
だから、距離じゃなくて、高さなのかもしれない。

「何か想いでも?」

乙女チックな話題に多少フォローを入れてくれる。

「ただ・・・なんとなく・・・」

言葉が続かず、答えにならなかった。
空を見て何を想ってたのだろう。

「いいんじゃない?秋なんだから・・・」

真理子の言葉も続かなかった。

(No.104-2へ続く)

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