[No.103-2]オレンジ色の香り
No.103-2
「なぁ、知ってる?この匂い」
清美になにげなく聞いた。
「キンモクセイでしょ?」
「先に言っとくけど、トイレの・・・じゃなくて、芳香剤の匂いよ」
僕の顔に何か書いてあったんだろうか・・・。
先を読んだ発言に驚いた。
「そ、そうだよ。キンモクセイ」
「それがどうしたの?」
事情を軽く説明した。
「ふーん・・・何でだろうね」
気のせいかもしれないし、そんなに考え込む必要もないだろう。
この話はこれで終ろう。
「でも、そう言うことあるよね」
話を続けようとする。
「気付いて良かったじゃん」
清美の目が何かを言おうとしている。
「ねぇ、私の匂いにも気付いた?」
「え!お風呂入ってないの?」
「バカ!」
そこそこ威力があるパンチが飛んできた。
その瞬間から、清美から“女”の匂いがしてきた。
(No.103完)
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