[No.103-1]オレンジ色の香り
No.103-1
そこにあるのに見えないもの。
そこにないのに見えるもの。
今、思えばそう言うことだったのかもしれない。
「この香り・・・」
鼻を突く独特の香り。
どうやら、このオレンジ色の実から発しているようだ。
匂いの記憶はある。
(この庭木の名前・・・何だったっけ?)
なかなかそれらしき名前がヒットしない。
すぐには思い出せず、しばらく考えるはめになった。
あいにく匂いを忘れることはない。
あちこちで同じ匂いを嗅ぐことができるからだ。
(それにしても・・・)
なぜ、今年はこんなに気になるんだろう。
去年も一昨年も植えられていたはずなのに。
今まで気にならなかった、気にしなかっただけだろうか。
とにかく、名前が先だ。
困った時のネット頼みだ。
オレンジ色・・・秋の庭木・・・あたりで検索してみよう。
「あ!そうだ、そうだ」
トイレの匂い・・・でも検索してみよう。
| 固定リンク | 0
「(005)小説No.101~125」カテゴリの記事
- [No.125-2]気の早いタンポポ(2009.12.25)
- [No.125-1]気の早いタンポポ(2009.12.24)
- [No.124-2]歌えないカナリア(2009.12.23)
- [No.124-1]歌えないカナリア(2009.12.22)
- [No.123-2]チャーミング(2009.12.20)
コメント