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[No.99-1]パラレルワールド

No.99-1

いつもより、早く家を出た。

通い慣れた道を自転車で飛ばそうとする。

(・・・今日はのんびり行こう!)

早く出たんだ、そう急ぐこともない。

(あれ?・・・そっか!)

走り出して、すぐにあることに気付いた。
見かけない顔と次々、すれ違っている。

(それもそうよね)

時間帯がいつもと違う。

同じ時間・・・同じ電車、同じ車両。
その法則は、自転車通学でもあてはまる。
風景はいつもと同じなのに、知らない人達に出会う。
ちょっとした、パラレルワールドに迷い込んだ気分だ。

(私って、変なこと考えてるかなぁ?)

とにかく、人には言わない方が良いだろう。
どうせ、好奇の目で見られる。

結局、学校に着くまで“顔なじみ”とは出会わなかった。

(No.99-2へ続く)

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