[No.91-2]クリクリ目玉
No.91-2
「どないしたん・・・急に?」
「聞いてほしいことがあったので」
食事を理由に菜緒を誘った。
「ほんまにぃ?なんやろな」
気付かなかったのが不思議なぐらいだ。
今まで散々、せいじゅうろうで笑い合っていたのに。
「似てるんだよな」
菜緒にケータイのせいじゅうろうを見せた。
せいじゅうろう・・・リラックマの目が菜緒に似ている。
「マジィ!そんなん言われたん、初めてやし」
「それに・・・黒丸やん!それ」
少なくとも怒ってはいない・・・喜んでいるようさえ見える。
「黒丸か・・・アハハ、そうだよね」
何の特徴もない単なる黒い丸がふたつ・・・。
確かに菜緒の言う通りだ。
「で、うちがリラックマのほうやね」
「そう・・・菜緒がリラ・・・ほう?・・・え!」
「直哉は色白やから、コリラックマやね」
確かにこいつらの写メを見ると、俺達ふたりの影と重なる。
記念撮影したあの日の写メと。
(No.91完)
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