[No.102-2]シリウス・ルナ
No.102-2
妙な余韻を残したまま、メールを待つ。
(何だろう・・・怒らせたかな?)
うやむやな態度で接したのは分かっている。
けど、目くじらを立てる内容でもない。
「何か想い入れがあったのかな?」
とにかく色々考える前にメールを待つことにしよう。
(来た!)
メールの受信音が鳴る。
「あれ?麻奈じゃない」
名前が表示されない。
麻奈どころか、ケータイに登録していない人からだ。
「ん?・・・このアドレス・・・」
見覚えがある。
@以降は違うけど、その前までは同じスペルのアドレスだ。
“sirius-luna”
(まさか・・・)
ふたつのうち、どちらかが答えだ。
『アドレス変更したから登録しといて』
麻奈からだった。
『もう忘れたら?リハビリよ』
麻奈とメールする度に思い出し、そして忘れようとしている。
(No.102完)
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