[No.90-2]公園の片隅で
No.90-2
「まだ、あったんだ・・・」
公園のベンチに腰掛けてみた。
全身が茜色に染まる。
ここから見える夕日は今も色鮮やかなままだ。
「ほんと、変わらないね」
「今度は、どっちが変わんないんだよ」
孝之が少しすねた様な口調で言った。
「ごめん、ごめん」
孝之とここで待ち合わせた。
全然、変わってない孝之に、複雑な心境だった。
「だって、変わってないんだもん」
「成長したんだよ、それでも」
孝之が反論する。
「そうね、老けたんじゃない?」
ジョーク半分、現実半分だ。
「今でも好きだ・・・」
「・・・バカ・・・ね」
変わってないけど、成長はしたようだ
(No.90完)
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