[No.90-1]公園の片隅で
No.90-1
この駅を降りれば、あの公園への道に続く。
(何年振りかなぁ・・・)
記憶の中では公園へと続く道を覚えていない。
それなのに足がこの道を覚えていた。
住宅街を避け、土手沿いの道を行く。
少しずつ見覚えがある風景が広がる。
「そぉ、そぉ!」
思わず口に出てしまった。
でも、景色そのものに見覚えがあるんじゃない。
見えるアングルが記憶のパズルに一致する。
(もうすぐね)
押さえられず、一気に公園まで走った。
「全然、変わってない・・・」
期待という風船が急にしぼんだ気がした。
あれも、これも・・・あの頃のままだ。
劇的な変化をどこか期待していたのも確かだった。
それだけに、拍子抜けした感もある。
ただ、時の流れは感じずにはいられない。
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「(004)小説No.76~100」カテゴリの記事
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