« [No.086-2]始まりはただの人 | トップページ | [No.087-2]最後のページ »

[No.087-1]最後のページ

No.087-1

ことの始まりは単純だ。
単純すぎると、逆にその説明に困ることさえある。
学生の頃、よく読んでいた小説があった。
小説が好きだったわけじゃない。
その作家が好きだったわけでもない。

「これ、読んでみて!」

当時、付き合っていた彼女から、一冊の本を手渡された。
僕でさえ知っている有名な作家だ。

「・・・小説は、あまり好き・・・」
「じゃ、感想よろしくぅ!」
「おい、おい・・・」

反論を許さない勢いで、言葉をさえぎられた。
それに、足早に去っても行った。
小説は好きじゃない。
それは薄々気付いていたはずだ。
その作家の話が出ても会話が弾まなかった。
弾ませようともしなかったし・・・。
大袈裟だけど、少し途方に暮れた気分だ。
手にした本がやけに重く感じる。

(No.087-2へ続く)

| |

« [No.086-2]始まりはただの人 | トップページ | [No.087-2]最後のページ »

(002)小説No.050~100」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: [No.087-1]最後のページ:

« [No.086-2]始まりはただの人 | トップページ | [No.087-2]最後のページ »