[No.86-2]始まりはただの人
No.86-2
私は決して、恋多き女じゃない。
だから、そう思える人に出逢えていないのかもしれない。
「まぁ、そのうち、巡り合うんじゃない?」
友人にしては、のん気と言うか、余裕と言うか・・・。
(それよりも・・・)
今、付き合っている人は・・・違うらしい。
「ドラマのようには、行かないよ」
友人に、軽く反論した。
ドラマでは、出逢うまでの過程も見せる。
その演出があってこそ、運命と言う言葉が引き立つ。
現実の世界では、そこまで分からない。
「けど、何か引っ掛かるんだよね」
気になっていることを口にした。
超自然的な力・・・どうしても、そうとは思えない。
「本当はね、巡り合わせなんて、どうでもいいのよ」
さっきの発言を覆すような友人の発言だ。
「どう言うこと?」
「運命の人に巡り合うんじゃない・・・
本気で好きになったら、運命の人に変わるのよ」
運命の人、運命の出逢い・・・。
最初は、ただの人、ただの出逢いから始まる。
(No.86完)
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