[No.85-1]聞き間違い
No.85-1
『今日も 美人 余裕なんかない
明日も 美人 繰り返される・・・』
「それ・・・誰の歌?」
香苗(かなえ)が誰かの歌を口ずさんでいる。
初めて聞く歌だ。
「慎吾、知らないの?最近流行って・・・」
香苗が言うには、最近人気が出てきたロックバンドらしい。
でも、自分の趣味じゃないこともあり、全く知らない。
「それにしても、おかしな歌詞だな」
「そう?」
「今日も美人、明日も美人って・・・どうよ?」
歌詞の繋がりが不自然だ。
「それが、いいんじゃない!」
前後の繋がりよりも、一言の重み・・・。
脈略がない方が、メッセージ性が高いのかもしれない。
「美人は美人なりに、苦労してるってことかな」
自分なりに答えを出してみる。
やっぱり、あえて歌にすべきこととは思えない。
それとも、自分の感性が鈍いのだろうか・・・。
「今度、全部聴いてみるよ」
全体を知れば、考え方も変わるかもしれない。
| 固定リンク | 0
「(004)小説No.76~100」カテゴリの記事
- [No.100-2]冬のホタル(前編)(2009.10.27)
- [No.100-1]冬のホタル(前編)(2009.10.25)
- [No.99-2]パラレルワールド(2009.10.24)
- [No.99-1]パラレルワールド(2009.10.23)
- [No.98-2]小さな巨人(2009.10.22)
コメント