[No.84-2]シグナルの向こうへ
No.84-2
事故の後、病院まで送ってくれたらしい。
どうやらそれから、恋が始まったようだ。
有り得ない展開じゃない。
「応援はするけど・・・」
「・・・するけど、なに?」
友人が言葉を返す。
「ナイチンゲール症候群ってこと、ないのかな・・・ってね」
「・・・分かってる」
「そっか・・・上手く行くといいね」
「ありがとう。青だから、進むわ・・・私」
恋愛の信号が青に変わった・・・と言いたいのだろう。
それに、きっかけは信号機が作ったとも言える。
「そうね、注意して渡るのよ」
友人と同じように信号機に掛けて、エールを送った。
「うん!意識するよ。だってよく考えたら・・・」
「・・・よく考えたら?」
「青は進めじゃないもの」
(あっ!・・・そうだった)
「進んでも良い・・・そうよね?」
友人がウンウンと、うなずいた。
(No.84完)
読み終えたら、クリックして頂けると、励みになります。
| 固定リンク | 0
「(004)小説No.76~100」カテゴリの記事
- [No.100-2]冬のホタル(前編)(2009.10.27)
- [No.100-1]冬のホタル(前編)(2009.10.25)
- [No.99-2]パラレルワールド(2009.10.24)
- [No.99-1]パラレルワールド(2009.10.23)
- [No.98-2]小さな巨人(2009.10.22)
コメント