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[No.79-1]心のスケッチ

No.79-1

「海って、不思議ね」

彩香が沈黙を破るかのように、ポツリとつぶやいた。
女ふたりで海を見に来た。
女同士に加え“見に来る”自体が負け組だ。

「いつも来るたびに、感じ方が違うんだもん」
(いつも誰と?・・・まぁ、いいか)
「そりゃね、海だって表情を変えるわよ」
これと言った答えがないまま、口にした。

けど、間違ってはいないはずだ。

海は空を映す鏡のような存在だ。
空が泣けば、海は曇る。
空が笑えば、海は光る。
それに、波を使い、私たちにご機嫌を知らせてくれる。

「今日はどんな感じ?」
彩香に問い掛けた。
「なんだろう・・・寂しく感じるよ」
彩香の表情が冴えない。

「良い天気じゃない!海もキラキラ光ってるよ」

確かに、人影はまばらだ。
そう感じなくもない。
でも、昼間だし、静寂に包まれているわけでもない。

(No.79-2へ続く)

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コメント

うふふ^^女同士で海を「見に来る」自体負け組み・・
思わず クスッて笑ってしまいました^^
確かに そうだわぁ~w

人って 海に限らず 風景でも 音楽でも 小説でも
心のフィルターを透して見ているような気がします。。

投稿: なっち♪ | 2009年9月 6日 (日) 00時02分

なっち♪さん、コメントありがとう。
心のフィルターか・・・。
物語が浮かんできそうなフレーズです。
それぞれの人の想いとか、時間の経過と
共に変わるもの、変わらないもの・・・。
今も、きっと様々な人達が、自分だけの
フィルターを通して、見てるんですね。

投稿: ホタル | 2009年9月 6日 (日) 00時25分

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