[No.078-2]上を向いて
No.078-2
「ひまわりが凄いね!」
京香の強引さに気を取られ、周りを良く見ていなかった。
確かに、ひまわりが咲き誇っている。
「見て見て!私と同じ背の高さよ!」
京香が一本のひまわりの前で、はしゃぐ。
それは一際、黄色が濃いひまわりだった。
手で触れてみようとした瞬間だった。
急に風がざわめいた。
ひまわりは、僕から目をそらし、そっぽを向いた。
そして、風が止むと、僕と目が合った。
(何だろう?似たようなことが有ったような・・・)
今度は風がそよぐ。
ひまわりが小さく揺れる。
それでも太陽をしっかり見上げている。
「あら?仲がいいのね」
ふたりと一本で、空を見上げた。
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