[No.074-2]シャボン玉
No.074-2
「わぁ!ほら見て!」
シャボン玉でこんなに、はしゃげるなんて思わなかった。
高校生にもなって、ちょっと恥ずかしい気もする。
不規則に色が付いたガラス玉のようだ。
表情を様々に変えながら宙を舞う。
けれど、それはすぐに消えてしまい、静寂が戻る。
「ねぇ、卒業したらどうする?」
今まで聞けなかったこと・・・今なら聞ける気がした。
「考えてないなぁ・・・」
彼を責める気はない、お互い高校生だから・・・。
「ごめん、変なこと聞いて。よし!大きいの作るよ」
その言葉通り、大きなシャボン玉が生まれた。
二人の驚く顔を映しながら、それは夜空を駆け上がった。
「が・ん・ば・れ!」
二人の声が重なった。
「どうした?」
「ほら、シャボン玉・・・」
青空に浮かぶシャボン玉を指さす。
あの日、夜空を駆け上がったシャボン玉は、いつまでも消えなかった。
| 固定リンク | 0
「(002)小説No.050~100」カテゴリの記事
- [No.100-2]冬のホタル(前編)(2009.10.27)
- [No.100-1]冬のホタル(前編)(2009.10.25)
- [No.099-2]パラレルワールド(2009.10.24)
- [No.099-1]パラレルワールド(2009.10.23)
- [No.098-2]小さな巨人(2009.10.22)




コメント