[No.072-1]変わりない日々
No.072-1
季節の便りが届いた。
自分もそうだけど、最近はメールでの便りに変わった。
メールだから季節感が無いとか思わない。
それを送り主が感じさせてくれることもある。
夕子はかつての部下だった。
今でも節目には、こうやって便りをくれる。
あえて社内メールを使う。
部下と上司、良い意味で距離間が保てる。
『夏祭り・・・』
その先を読まずとも、楽しさを予感させる書き出しだ。
「そういえば、そろそろか・・・」
祭りは祭りでも、公共の祭りではない。
会社の敷地内でちょっとしたビアガーデンを開く。
これをみんなが夏祭りと呼んでいる。
『もうすぐ資格の取得が出来そうです』
彼女は頑張り屋だ。
キャリアアップのために公私共々、忙しい日々を送る。
メールでも十分にそれが伝わってくる。
知りたい、教えたい・・・二人の想いが交差する。
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