[No.68-2]ドキドキ感
No.68-2
(どうしちゃったんだろう・・・)
あの人を見かけなくなってから、1ヶ月が過ぎた。
あれこれ・・・色んなことを考えてしまう。
いつもの時間、いつもの場所には、別の人が立っている。
(そこは、あの人の場所なんだから!)
完全に、八つ当たりしている。
あの人は、結局今でも“あの人”のままだ。
何も進展しなかった。
それどころか、今は唯一のチャンスさえ失っている。
引越しでもしていたら、もう二度と逢えない。
悲しくも、それは現実となった。
卒業を機に、その電車に乗る必要がなくなった。
就職のために、他県へ引っ越すからだ。
(奇跡でも無い限り、もう逢えないね)
待ち続けた三年間・・・。
一方的な片思い・・・。
名前さえ知らない、あの人・・・。
『もしもし・・・今、駅に着いたよ』
友人に帰省を告げた。
想い出す度に、今でも胸がドキドキする。
駅のホームには、そんな人で溢れている。
(No.68完)
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