[No.067-2]いつもここから
No.067-2
三年前に、住み慣れたこの街を離れた。
そして、皮肉にも帰省中のこの街で流星群を知った。
世間の恒例行事は、必ずしも自分にとっての恒例ではない。
(無関心って・・・案外怖いことかもね)
『見て!見て!』
『すごい数の流れ星ね』
街を行き交う人の動きが止まり、誘われるのように、空を見上げている。
その行動の意味は分かっている。
けれど、私も空を見上げた。
星の雨に傘は要らない。
そんなロマンティックなセリフが似合う。
流星群が訪れる時、私はここにいる。
そして、こうやって夜空を見上げている。
何だかよく分からないけど、流星群は私に何かを教えてくれた。
『今日は星の雨に濡れて行こうかな』
誰かの洒落たセリフが聞こえてきた。
ペルセウス座流星群の下では、誰もが何かに気付く。
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