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[No.64-1]きのこの山

No.64-1

たまには、いつもと違うメンバーで飲むのもいい。
仕事の話でさえ、違って聞こえる。

「ようやく、1年だよ」

僕を含めて、今日集まった3人は同じ職場で働いていた。
その内、それぞれが違う職場へと異動して行った。

「こんなこともあるんだね」
「そうだなぁ、まさか美佳がここに来るとはね」
自分が今の職場に異動した半年後に、美佳が続いた。
「で、俺がその2ヵ月後だったよな」
祐二が話を繋げた。

本社部門ともなれば、同じフロアであっても話す機会が少ない。
まして、フロアが異なれば、もはや別の勤務地とも言える。

「まぁ、とにかく再会に乾杯しようか」

一番年下の祐二が音頭をとった。

「でも、痩せたなぁ・・・苦労した?」
祐二が僕を見ながら、笑っている。
「おいおい、言葉と表情が合ってないぞ」
「まぁまぁそう言わずに・・・美佳もそう思うだろ?」
「どうせ、私は太りましたよ!」

それなりに苦労したから、痩せたのかもしれない。
考える仕事が増えたせいか、脳が疲れる・・・そんな感じだ。
甘いものが無性に欲しくなる。

「女子はね、甘いものは別腹なんだよ」
ひとりだけ、話が別方向へと進んだ。

(No.64-2へ続く)

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