[No.062-1]かくれんぼ
No.062-1 [No.007-1]せいじゅうろう
「あれ・・・どっか行ってしもうた」
菜緒はスクールバッグの中をゴソゴソと探し始めた。
「何か探しもの?」
「せやねん。せいじゅうろうがおらへんねん」
「これかい?」
俺は、菜緒と同じストラップをぶら下げている。
「ちゃうよ、それは付いてるし」
菜緒がケータイを見せた。
「それなら、ロフトで買ったもの?」
以前、プレゼントした手のひらよりもやや大きい、せいじゅうろうだ。
「それは・・ほら、ちゃんとあるねん」
「ほんとだ・・・って、えっ!持ち歩いてるの!」
(そう言えば「今度連れてくる」と言ってたな)
「で、どのせいじゅうろうが居なくなったの?」
「ここのやで。ほら同じやつ貼ったやん」
そう言うと、菜緒はケータイのキャビネットを指差した。
(ほんとだ・・・)
ケータイの上面部分に、リラックマのシールを貼り付けた。
多少膨らみがあるシールで、おそろいにした。
「確かに、粘着力は弱かったよな」
自分のケータイのせいじゅうろうも、よくズレていた。
今は強力なボンドで接着し直した。
「旅に出てしもうたかもしれへんなぁ」
(そんなことは・・・ないぞ)
一応、心の中で突っ込んでおいた。
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