[No.60-1]もてポイント
No.60-1
「身長はやっぱり高い方がええよ」
すっかり一般的になった、いわゆる“三高”のひとつだ。
美咲に言われるまでもない。
「もてポイントなんよ」
(モ・テ・ポ・イ・ン・ト?)
「なんだよ、そのモテ・・・なんとかは?」
「もてる、ポイント。略して、もてポイントやね」
なるほど・・・。
略して減った文字がひとつだけなのは、そっとしておこう。
それにしても、造語の作り方は現代っ子だ。
難なく、さらりと思い付く。
「あまり、実感したことないけどな」
確かに身長は高い方だろう。
だからと言って、それで“もてた”ことはない。
それ以外の要素も・・・と言うより、それ以外が重要なのかもしれない。
美咲は、いくつか“もてポイント”を話してくれた。
彼女がごく普通の女子代表なら、信憑性が高い話になる。
逆に、個性的すぎるなら、少し考えものだ
「じゃ、こんなのは?」
思い付く、もてポイントを美咲に話した。
「それ、ポイント高いやん!」
こんな話で盛り上がるのも、女の子らしい。
ただ・・・そろそろ、言われそうな気がする。
多分、そろそろ・・・。
| 固定リンク | 0
「(003)小説No.51~75」カテゴリの記事
- [No.75-2]追いつけない自転車(2009.08.25)
- [No.75-1]追いつけない自転車(2009.08.23)
- [No.74-2]シャボン玉(2009.08.22)
- [No.74-1]シャボン玉(2009.08.21)
- [No.73-2]Sensitivity(2009.08.20)
コメント