« [No.057-2]ごめんYO | トップページ | [No.058-2]揺れるミニスカート »

[No.058-1]揺れるミニスカート

No.058-1

「じゃ、帰るね」

彼女を改札まで見送る。

改札に入る前に一度手を振り、入った後にもう一度手を振る。
別に決めたわけじゃない。
気付けばそれが見送りのスタイルになっていた。

人ごみの中でも、彼女は消えない。

ミニスカートに、スラッと伸びた素足が映える。
スクールバックを肩に掛け、ポニーテールで髪をまとめている。
歩くたびに、ポニーテールとミニスカートが小刻みに揺れる。
若い彼女が更に幼く見える。

僕は、いつもその後姿を見送る。

小さな背中で、大きな荷物を背負いながら生きてきた。
その力強さは今でも変わらない。
でも、どうしてだろう・・・。
表情の見えないはずの後姿に、言い知れぬ寂しさも感じる。

(No.058-2へ続く)

| |

« [No.057-2]ごめんYO | トップページ | [No.058-2]揺れるミニスカート »

(004)小説No.050~100」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: [No.058-1]揺れるミニスカート:

« [No.057-2]ごめんYO | トップページ | [No.058-2]揺れるミニスカート »