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[No.052-1]日向ぼっこ

No.052-1 [No.07-1]せいじゅうろう

『干されています』

こんなタイトルのメールが来ると、真っ先にあることが頭に浮かぶ。
菜緒はモデルの仕事をしている“業界人”だ。
それだから『干された』と来れば、あれしかない。

『だ・い・じょ・う・ぶ・で・・・』
(待てよ)
返信を打つ手を止めた。

以前、菜緒が写メを付け忘れたことがあった。
そのために、ちぐはぐなメールのやり取りが続いた。
(あれはあれで笑えたけどな)

『なぁ、写メ忘れてない?』

先に確認した。

『わぁ、ホンマや!ほい、写メつけたで』

相変わらずそそっかしい。
写メには、いつものせいじゅうろうが写っていた。

「なんだこれ・・・?そっか!」

ベランダと思われる手すりに、布団が掛けてある。
その上で、まるで日向ぼっこをするかのように、せいじゅうろうが寝転んでいる。

『気持ちよさそうだね』
『いい天気やし、干してんねん』

確かに干されている、見事なまでに。

(No.052-2へ続く)

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