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[No.050-2]オレンジ色の明日へ

No.050-2

「明日って、何色なんだろうね」

「何よ、急に哲学ぶっちゃって」
友人が、何やら意味深なことを聞いてきた。
「よく、ブルーな気持ちって言うじゃない」
「だから?」
「明日にも、色があるのかなーってね」
(微妙に関係がないように思えるけど)

「何かあったの?」
心配になって聞いてみた。
「ううん、そうじゃないけど、明日が真っ黒なんて嫌よね」
「そりゃそうよ、お先真っ暗なんて」
「だからといって、お先が“真っ赤”じゃ疲れそうだし」
そう言って友人は笑った。

(明日の色か・・・)

会社の帰り道、目の前に真っ赤な夕焼け空が広がる。
何度も見ているのに、今日はいつもと違う。
「明日の色・・・夕焼け空・・・真っ赤・・・」
キーワードが繋がり、あることを思い出した。

「これが明日の色?」

友人にクレヨンを手渡した。
なぜか捨てられない1本が、ずっと引き出しの奥に入れてあった。
幼稚園の時だ。
赤のクレヨンを無くし、仕方なく他のクレヨンで真っ赤な夕焼け空を描いた。
泣きながらクレヨンを握った。
でも、描き終えた頃、笑顔に変わった。

私の色、そして明日の色・・・。

オレンジ色のクレヨンは、それを思い出させてくれた。

(No.050完)
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