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[No.050-1]オレンジ色の明日へ

No.050-1

「好きな色は、ミドリ色かな?」

こう答えるだけで、好印象を与えられる。
ミドリ色は植物の代名詞であり、森や大地を彷彿させる大自然の象徴だ。
だからこそ連想されるのだろうか。
ミドリ色は、穏やかさ、安心、平和などをイメージさせる。

アカ色は、情熱的な色に間違いはない。
一方では自己主張が強く、他人に対して刺激的な色とも言える。

「男でも誘惑するつもり?」

赤い口紅、赤いドレス、赤い靴・・・。
いずれか1つあれば、そう言われることもある。
怪しげで、危険な匂いが漂う。
車で言えば、スポーツカーは赤が定番だ。
とにかく目立つ色だ。

クロはどうだろうか?
かなり落ち着いた感じがあり、シックな印象は抜群だ。
これも一方では、赤とは違う、独特な自己主張を持っている。

「ちょっと・・・」

全身クロで固めようものなら、なお更コメントしにくい。
高級感がありすぎて、逆に敬遠されることもある。
色々な意味で、近寄りがたい雰囲気のある色だ。

だからミドリ色が好き・・・じゃない。
色の好みは、自分の性格をさらけ出すようで嫌いだ。
だから、無難な色を答え、緑色を身の回りにそろえる。
「無難な好みね」
そう言われると、事実だけに落ち込む。
普通を演じている私を、馬鹿馬鹿しく思うこともある。

(素直になりたい・・・)

でも、“自分色”との出逢いは突然訪れた。
意外なかたちで。

(No.050-2へ続く)

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