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[No.45-1]ブリキのロボット

No.45-1

目が合った。

何となく立ち寄った雑貨店で、古ぼけたブリキのロボットに出逢った。
塗装は所々ハゲ落ち、サビもひどい。

『\200』

申し訳なさそうに値札が貼られている。
アンティークのレア物では無い限り、この値段でも微妙だ。
そう思いながらも、手にとって見る。
はげた塗装と、ひどいサビが逆に独特の表情を作り出している。

「前はイケメンだったんじゃない?」

つい話し掛けずにはいられない、愛嬌のある顔だ。
(ま、200円だし、買っていくか)
ペットショップで子犬の誘惑に負けた・・・そんな心境に近い。

家に着いてから、ロボットをまじまじと眺めた。
頭のてっぺんには、何か差し込むような穴が開いている。
胸は真ん中から左右に開きそうな雰囲気がある。

「か、かたいわね・・・」

無理にこじ開けて、壊れでもしたら大変だ。
ガラクタとは言え、気が引ける。

「仕方ないなぁ。はい、あなたはここ」

本棚の隅に彼を置いた。
それから、その彼に真っ先に興味を抱いたのは、人間の“彼”だった。

(No.45-2へ続く)

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