[No.042-2]わたしの説明書
No.042-2
わたしは、自分でも変わり者だと分かっている。
同世代の女の子と比べると、興味の先がまるで違う。
それを彼は理解している。
それも、ごく自然に・・・。
「こんなクセがあるなんて・・・知らなかった」
説明書には、わたし以上にわたしのことが書いてある。
手作り感がいっぱいの、わたしの説明書。
今の気持ちを、おさえられない。
“ありがとう”
この一言を伝えたくて、最後まで読み終わる前に、彼へ電話した。
「ありがとう」
「わたし、特別なイベントなんていらないから」
言葉に詰まる。
「うん、分かっているよ」
いつになく彼の声は穏やかだ。
電話を終えて、続きを読んだ。
最後のページには、こう書かれてあった。
イベントより、日常
だから、そばにいて
だから、そばいにいるよ。
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