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[No.40-1]転校生

No.40-1

転校生が来る。

学校生活における、転校生は僕らにとっては一大イベントだ。
それが異性ともなれば、なおさらだ。
事前に知らされた情報は一人歩きし、それぞれが想う理想像が作られる。
「なぁ、あいつどう想う?」
友人が一番後ろの席に、視線を向けた。
「あいつって、矢島のことか?」

矢島さやか。

1ヶ月前に、僕のクラスに転校してきた。
僕の・・いや多分、皆の想像以上の美人で、大人びた魅力がある。
僕らが、ガキだと言うことはさておき。

それから、1ヶ月たった。

彼女の周りに、人の輪も、会話もない。
心を閉ざしたかのように無口で、社交性を感じることが出来ない。
無口どころか、最初のあいさつで名前を聞いて以来、声を聞いていない。

(緊張しているんだろう・・・)

初めはそう思った。
でも、皆の気遣いは、長くは続かなかった。
今は、彼女が来る前のいつもの日常に戻っている。
いじめこそ無いものの、彼女の居る空間は皆にとって、単なる障害物でしかないようだ。

クラスに一人とは言わないけど、学年に一人は居ると想う。
彼女のように、浮いた存在の女の子。

(No.40-2へ続く)

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