[No.039-2]コントロール
No.039-2
「そんな・・・今日のために休みをとったのよ!」
「すまない」
彼はそれ以上、弁明しなかった。
分かっている・・・前と同じパターンだ。
きっと、うまく行く。
「分かったよ。残念だけど、また今度にしよう」
それから、同じようなことが何度も続いた。
「もう・・・いやだよ」
新しい彼とは長くは続かなかった。
結局、終わりはどこにでもあるパターンだった。
(わたし、今まで何を想ってたんだろう?)
「それはね、相手との距離感だよ」
「距離感?」
友人がまた意味ありげな言葉を発した。
「想いは届いていた?彼に」
友人の問に応えることが出来なかった。
理解ある女性を演じていた。コントロールとはそう言うことだと信じて。
でも、それが距離を生んだ。
そして、その距離はどんどん離れていった。
「あーぁ、もうやめたやめた!」
「わたしには、無理みたい」
考えれば考えるほど、上手く行きそうな気がしない。
むしろ、逆だ。
「それが恋愛なんだよ」
友人は冷静だ。
「ふん!男のくせに言うわね」
この距離・・・そう、男女にはこの距離感が必要なのかもしれない。
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